もうひとつの万物理論

重力は張力の反作用であるという事実から宇宙の仕組みを考える

1 重力とは、膨張する宇宙空間が物質を引き伸ばそうとする力に対する反作用である

 

1-1:はじめに

 私たちが暮らす地球に働いている重力は、恐らくその誕生とともに発生し、圧倒的な力で全てを支配し続けてきました。そして、私たち人類は、今から僅か400年程前に「万有引力」としてその働きを定義づけ、それは古典力学の一部として現在まで受け継がれています。

 

 それでは、なぜその働きは物質を地球に引き付けようとするのでしょうか。

 なぜその働きは空間にまで及び、何をもってしても遮ることができないのでしょうか。

 そもそも、なぜ重力が働くのでしょうか。そして、その力は何処からやってくるのでしょうか。

 

 残念ながら、これほどまでに自然科学に対する理解が進んだ現代においても、その最も身近で素朴な疑問に対する誰もが納得する回答を、私たちはまだ得ていません。

 現時点において最も有力な説とされている相対性理論でさえ、それら全ての疑問を解消してはいないのです。

 

 このあまりにも普遍的かつ圧倒的な力が働く仕組は、そうであるが故に呆気にとられるほど単純なのかもしれません。そして意外にも、それを解き明かすヒントはすぐ目の前に落ちているかもしれません。そして、考えることさえ止めなければ、その疑問に対する答は必ず見つかるはずなのてす。

 

 ここでは、①時間の流れと空間の在り方は普遍であることと、②全てが必然であることを大前提に、③誰もが知っている古典力学や幾つかの簡単な思考実験を使い、現にそこにある事実を多角的に捉えながら、④あくまでも形而上学的に、一般市民の目線から重力の働く仕組みを考えます。

 その理由は次の通りです。

 ①時間の流れと空間の普遍性は、全ての理論の根底にあるものですから、そこが揺らいでしまえば全てが崩壊してしまうし、そもそも、そこに手を加える必要もないからです。

 ②偶然の積み重ね、突然変異、突発的な何か、或いは実験結果がそうだから。そう結論することは、それ以上考えることを放棄することに他なりません。そのモノや事象が現にそうなっているからには、必ずそうなった理由がある。そして、それが普遍的であればあるほど、偶発的なものごとに影響を受けることなく圧倒的に働いている。そう考えるからです。

③古典力学は、使い古された理論ではありません。それは仮説によらず、現に目の前で起きている事実を定義付けたものであり、今でも多くの物理の基礎であることに変わりはないからです。そして、それで十分だからです。

④私たちは、この地球の、表面付近という極めて個別的な場所しか知らないのですから、そこに在るものが全てでもなければ、そこで起こる事象もまた、全て条件付きの結果でしかありません。また、宇宙の時の流れにしたら一瞬でしかない一時点の結果が普遍であるはずもないのです。そして、極めてマクロ的な領域において、この地球しか知らない人間が考えた数式など何の役にも立たないのであり、むしろ形而上学的に考えることでしか、本当の姿を想像することはできないと考えるからです。

 人間が宇宙を語ろうとするとき、計算上こうなるはずだと言うのであれば、それは近視眼的かつ幼児的万能感による勘違いでしかありません。この世の摂理は全て数式で表すことができると考えるのであれば、それは人間の思い上がりでしかないのです。ちっぽけな私たちは、もはや想像することしかできないのであり、その想像がどれだけ実像に迫っているかは、事実の積み上げによって理論立てた結果や、その周辺のあらゆる物事とどれだけ整合性がとれているかによって判断するしかないでしょう。科学とは掛け離れてしまうようですが、数多ある宇宙理論が漏れなくそうであるように、残念ながらそうすることしかできないのです。

 それらを踏まえながら、人間が手に入れた最大の武器である「想像力」を駆使して、重力の働く仕組みを解き明かし、その結果を基にして、この宇宙の実像に迫ってみたいと思います。


1-2:地球上における重力の働き(おさらい)

 

f:id:wellcreek:20200119144136j:plain

 重さ1kgの鉄球が、地面に置かれているとします。

 この鉄球は、地球の重力によって1kgという「重さ」を与えられ、その「重さ」で地面を押し続けています。

 私が、この鉄球を地面から引き離そうとすると、この鉄球は、1kgの「重さ」で抵抗し、地面から引き離されてもなお、絶えず1kg「重さ」で地面を目指そうとします。

 この鉄球は、地面に置かれていようと、地上付近の空間にあろうと、絶えずその「重さ」で地球の中心を目指そうとします。

 また、この鉄球と地球の間に何を挟んでも、決してその働きを遮ることはできません。

 その不思議な力は地球全体を包み込み、そこに存在する全ての物質を、否応なく圧倒的に支配し続けています。


1-3:重力と、その反作用

 この鉄球が大気中に放たれると、大気や海水をどこまでも突き破り、地面や海底に辿り着いてようやく停止します。そして、1kgの「重さ」で地面を、それよりも軽い「重さ」で海底を押し続けます。

 この鉄球が、それよりも密度が低いはずの地表を突き破って何処までも突き進んで行かないのは、地表が、それを構成する物質同士の密度や結びつきの強さなどによって鉄球の「重さ」に抵抗し、その「重さ」と同じ強さで、地表の内側から押し返す力が働いているからです。

 この、地表の内側から鉄球を押し返している力は、この鉄球が地表を押している力、つまり、この鉄球に働いている地球の重力に対する反作用です。

f:id:wellcreek:20200209170345p:plain
 

 この鉄球が地球上の何処かで停止しているとき、この鉄球に働いている地球の重力と、地表の内側から鉄球を押し返している力は、完全に釣り合っています。そして、これら二つの力は、決してどちらか一方だけで働くことはありません。

 つまり、その鉄球に働いている地球の重力と、地表の内側から鉄球を押し返している力は、例えば私が、決して動かすことのできない壁を押すことによって、押した分だけ壁から押し返されることと同様に、ある一つの働きの表と裏であると言えます。

 そして、その反作用は、私が壁を押す」という主体的能動的な行為によって、私の手から「壁を押そうとする働きが伝わり、「壁がそれに抵抗することができたことによってはじめて生じる、壁から私の手を押し返そうとする働きです。

 この場合、「私が壁を押すという行為によって生じる「壁を押そうとする働き」が原因となってはじめて「私の手を押し返そうとする働」が生じていることは明らかです。つまり、前者が作用で、後者が反作用ということになります。

 しかしこの鉄球は、自らの意思で地面を押している訳ではなく、地球の重力によって与えられた「重さ」によって受動的に引き寄せられているに過ぎません。

 そうである以上、この鉄球に働いている地球の重力が、その原因となる主たる働き、つまり「作用、反作用」の作用にあたると断定することはできないのではないでしょうか。 

 この鉄球に働いている地球の重力が、地表の内側から鉄球を押している力に対する反作用であると考えることもできるのです。

 

1-4:地球は、空間ごと引き伸ばそうとされている

  この鉄球が地面に置かれて停止しているとき、鉄球は、地球の重力によって与えられている「重さ」で地面を押すと同時に、同じ強さで地面から押し返されています。

 あり得ないことですが、もしこの鉄球が地表に置かれたり宙に吊るされた状態で、この鉄球に働いている地球の重力だけが突然消えてしまったとしたら、この鉄球は、それまで働いていた重力と同じ強さで逆の方向へと、弾き飛ばされてしまうでしょう。

 そして、それは地球の表面付近のどの場所を想定しても、同じ結果になるはずです。f:id:wellcreek:20200209170353p:plain 

f:id:wellcreek:20200209170402p:plain

 そもそも、地球に働いている重力は、そこに鉄球が存在するから生じている訳ではなく、鉄球が在ろうと無かろうと、地表付近のあらゆる場所や空間から地球の中心に向かって、何物にも遮られることなく働き続けています。

 その地表に何も置かれていなくても、巨大な陸地や大量の海水、更にその下にあるプレートやマントルが途方もない「重さ」によって地球を押し続けているのであり、それらが安定してそこに在るという事実は、その途方もない「重さ」と同じ強さによって、地球の内側から押し返されていることを示しています。

 もし、地球の重力に対する反作用が働いていなければ、地球はどこまでも押しつぶされてしまうでしょうし、逆に重力が働いていなければ、この地球は、どこまでも引き伸ばされてしまうことになります。

 そして、その重力は、空間にまで及んでいるのです。

f:id:wellcreek:20200211180851p:plain

f:id:wellcreek:20200211180846p:plain

f:id:wellcreek:20200211180843p:plain

 

 つまり地球は、それ自体に働いている重力によって、あらゆる方向からその中心に向かって、空間ごと押し潰そうとされているのです。

 そして、物理の基本原則に従うならば、それにもかかわらず地球が押し潰されてしまわないという事実は、地球が、その中心からあらゆる方向へ向かって、それ自体に働いている重力と同じ強さによって、空間ごと引き伸ばそうとされていることを示しているのです。

 

 地球を、その中心からあらゆる方向へ引き伸ばそうとする力を、仮に「張力」と呼ぶこととします。

 

 しかし、天の川銀河の片隅の、太陽系の一惑星に過ぎない地球が、この宇宙の中心でも、特別な存在でもあるはずがありません。

 そして、それこそ星の数ほどある他の天体にも、強さの違いこそあれ地球と同じように重力が働いているはずであり、従って、どの天体にも、各々の重力と同じ強さの張力が働いていることになります。

 一体どのような状況下であれば、そのようになり得るのでしょうか。


1-5:宇宙空間の膨張によって、物質は引き伸ばそうとされる

 例えば、大きな風船の中に小さな風船を入れて、外側の大きな風船をあらゆる方向へ引き伸ばすとします。そうすると、内側の風船は、外側の風船につられて膨らむでしょう。

 

f:id:wellcreek:20200209152727p:plain


 内側の風船が膨らんだのは、外側の風船を満たしいる空気の密度が低下したことが直接の原因であると考えられます。しかし、その結果として、内側の風船は、密度の低下した外側の空間に引っ張られたことになります。

 そして、内側の風船は、外側の風船内のどこに位置していても、同じように膨らむはずです。

 

 ある閉ざされた空間が、あらゆる方向に引き伸ばされる(膨張する)と、その空間内のどこに位置していても、張力が働くのです。

 ただし、その空間が真空だったとしたら、おそらく結果はそうならないでしょう。
 何故なら、何も無い一点を引き伸ばした、物質の存在しない(密度の無い)空間を真空とするなら、それを引き伸ばすにも押し潰すにも力は必要なく、何の抵抗もなくただ引き伸ばされたり押し潰されるだけで、そこには何の働きも生じ得ないからです。

 そして、この宇宙空間が真空ではないことは夜空を見上げれば一目瞭然でしょう。そこには、天体という巨大な物質の塊が無数に点在しているのですから。

 この宇宙空間が、あらゆる方向へ引き伸ばされていれば、そこに存在する全ての天体に張力が生じていることを説明することができます。

 そして、宇宙空間が膨張していることは、偉大な物理学者によって既に証明されているのです。


1-6:重力とは、膨張する宇宙空間が物質を引き伸ばそうとする力に対する反作用である

f:id:wellcreek:20200209164138p:plain

 内側の風船を同じ容積の鉄球に入れ換えて、外側の風船を、あらゆる方向へ引き伸ばそうと試みるとします。すると、外側の風船を引き伸ばすためには、内側に風船があった時よりも強い力が必要になると考えられます。

 何故なら、その空間の中に鉄球が存在することによって、その鉄球の容積の分だけ、引き伸ばすことのできる部分が減少するからです。

 或いは「鉄球が空間ごと引き伸ばそうとされることに抵抗し、その中心に向かって空間ごと引っ張り返している」と言い換えることができるかもしれません。

 そして、その鉄球による抵抗をものともしない力で、内側に風船があった時と変わらない速度で外側の風船を引き伸ばすとします。

 その時、風船の内側の空間は、そこに風船があった時よりも強く引き伸ばされ、鉄球も、その力によって引き伸ばそうとされます。

 そこでもし、鉄球による抵抗によって風船を引き伸ばすことができなかったり、鉄球が引き伸ばされてしまったとしたら、何も起こらないまま話はそこで終了です。しかし鉄球は、空間ごとあらゆる方向へ引っ張られながらも、引き伸ばされることはなかった。そして、鉄球を包んでいる空間は、鉄球をあらゆる方向へ引っ張ったが、引き伸ばすことができなかった。

 そのとき、鉄球自体には、その空間に引っぱられながらも引き伸ばされなかったことによって、そして、その空間には、鉄球を引っ張りながらも引き伸ばすことができなかったことによって、各々の力と同じ強さで逆方向の力が自ずと働く。

 

 それが、重力なのです。

 

f:id:wellcreek:20200211180839p:plain

f:id:wellcreek:20200211180833p:plain

 

 物質を含んでいる空間が膨張するとき、その物質は、張力によって空間ごと引き伸ばそうとされます。そして、その物質が張力によって空間ごと引き伸ばそうとされながらも引き伸ばされずにまとまっているとき、その張力に対する反作用が自ずと働く。

 重力とは、宇宙空間が膨張することによって物質に対して働く張力に対する反作用なのです。

 重力の働きが、天体の地表を越えて、その外側の空間にまで及んでいる理由も、何をもってしても遮ることができなかった理由も、そこにあったのです。

 この地球を圧倒的に支配していたのは重力ではなく、張力だったのです。


1-7:考察

 物理の基本原則に従うならば、重力の背後で常に張力が働いていることは、推測ではなく「事実」でなければなりません。また、空間が膨張すれば、その中に存在する物質が引っ張られるのは当然と言えば当然の話なのです。

 そして、この結論は、この地球に重力が働いているという事実そのものが、宇宙空間が膨張していることの最も明確な証であるという意味を含んでいます。

 さらに、この宇宙が閉ざされた空間である(つまり「果て」がある)ことを示唆しています。

 もしこの宇宙が膨張していなかったとしたら、そこに存在する全ての物質は引き伸ばされも押し潰されもせず、従って何の働きも何のエネルギーも生じない、闇黒の中でそのままの状態が延々と続く、生も死もない世界となっていたかもしれません。

 そう考えると、この宇宙空間に働いている全ての物理現象やエネルギーは、その膨張や、膨張エネルギーに由来しているのではないでしょうか。そして、宇宙が膨張しているからこそ、このような世界が現に存在し、そこにエネルギーが与えられ、生命が誕生した。そう考えることも、できるのではないでしょうか。