もうひとつの万物理論

重力は張力の反作用であるという事実から宇宙の仕組みを考える

2 物質を引き伸ばそうとする力(張力)の概要

 

2-1:はじめに

 ある物体が地面に置かれている時、その物体は、その「重さ」で地面を押すと同時に、その「重さ」と同じ強さで地面から押し返されている。
 古典力学では、その地面が押し返している力を、その「重さ」に対する反作用であると考えました。そして、それは決して間違いではありませんでした。

 しかし、更にそれを地球規模まで俯瞰して考えると、地球は、それ自体の重力によって押し潰そうとされ、同時に、その重力と同じ強さによって引き伸ばそうともされていることを前章で明らかにし、その力を仮に「張力」と呼ぶこととしました。

  ここでは、その張力の働きについて整理してゆきます。

  なお、張力と重力は、同じ一つの働きの表と裏であることから、張力について述べることは、同時に重力について述べることでもあることに常に留意する必要があります。


2-2:張力の働く向き

 張力が、その物質の中心(重心)から、あらゆる方向へ向かって作用することについては、特に議論する必要も無いでしょう。


2-3:張力の相対的な強さを決める物質の要素

 例えば、風船の中に容積の異なる鉄球を入れて密封し、その風船を、ある一定の容積から開始して、ある一定の容積に達するまで、ある一定の速度であらゆる方向へ引っ張るとします。

 そのとき、鉄球の容積が米粒ほどの場合と、風船の内側を埋め尽くすほどの場合とでは、後者の方が風船を引き伸ばすためにより強い力が必要となるのは明白です。何故なら、鉄球の存在によって、実際に引き伸ばすことのできる空間の容積が、後者の方が圧倒的に少ないからです。従って、風船内の空間は後者の方がより強く引き伸ばされ、鉄球も、より強く引き伸ばそうとされることになります。つまり、同じ物質であれば、容積の多い方が張力(重力)は強く作用すると考えられます。

 

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 その球体の素材を鉄からウレタンフォームに代えた場合、見た目の容積が同じであっても、同じ強さの張力が働くわけではありません。何故なら、鉄とウレタンフォームでは密度が全く異なるからです。

 また、蛇足ですが、物質は、原子や分子が一定の密度、形式、強度をもって結び付いたその集まりであり、更に原子は、素粒子の集まりである原子核の周りを、一定の間隔を保ちながら電子が飛び交う構造であると考えられています。
 従って、人の目には全く隙間が無いように見える鉄のような物質でさえ、原子や素粒子レベルでみれば極めてスカスカな状態なのです。

 一概に「容積」といっても物質によって密度は様々であり、その「密度」も、絶対的な数値を表す単位ではなく、相対的な度合いを表す概念でしかありません。

 そこで、張力の強さを決定する物質の要素として容積を考える場合、「外見上の容積」に対して、真に空間を占有するという意味で「絶対的な容積」という概念が必要となります。

 「絶対的な容積」とは、素粒子に全く隙間が無いと仮定すると、その物質又はその集まりに含まれる素粒子の総容積ということとなり、「外見上の容積」に占める「絶対的な容積」の割合が、その物質の「密度」ということになります。

 したがって、同じ条件で膨張する空間に存在する物質に対して働く張力の強さは、その物質の「絶対的な容積」によって決まると言えます。

 ただし、「絶対的な容積」が数値化できない理論上の概念でしかない以上、張力の絶対的な強さを計算して予測することは難しいでしょう。


2-4:張力の相対的な強さを決める空間の要素

 張力の強さを決定する空間の要素として、膨張する速度と度合いが挙げられます。

 ある物質を含んでいる空間が膨張するとき、その物質を引き伸ばそうとする力の強さは、膨張の速度が高いほど強くなると考えられます。また、膨張の度合が進むほど強さを増してゆくものの、その度合が進むほど広がる空間に分散され、強さの増し方は鈍くなってゆきます。そして、その膨張がある一定のところで停止すれば、その物質に作用する張力は一定の強さを保ち、収縮していれば弱まってゆくと考えられます。

 ただし、現在の地球の重力を観測した結果が一定だったとしても、宇宙空間の膨張が停止しているとは限りません。何故なら、宇宙を基準とした時間の中で、私たち人類が存在している期間などほんの一瞬の出来事に過ぎないからであり、宇宙空間の膨張する速度が加速していても減速していても、あるいは収縮していたとしても、その僅かな変化を実測することは困難だからです。

 結局のところ私たちが確かめられるのは、この地球の表面付近において、今、実際に、どのように重力(張力)が働いているのか、ということぐらいなのではないでしょうか。しかも、それは普遍的な物理の法則ではなく、あくまでも一時的なものでしかないのです。

 ひとつ推測できるとすれば、この宇宙空間が膨張し始めてから現在に至るまでの期間における、宇宙の「果て」が遠ざかる平均速度は、光の速度を優に越えているということぐらいではないでしょうか。なぜなら、この宇宙の背景が漆黒だからです。


2-5:張力の範囲と分布

 一概に張力の強さと言っても、どこでも均一に作用しているわけではなく、観測するポイントによって大きく異なると考えられます。

 物質を含んでいる空間が膨張するとき、ある物質に作用する張力の支点となるのはその中心であり、作用点(面)は膨張している空間の境界面、そして力点(面)は、その物質の表面となります。

 話を分かりやすくするために、ある一定の条件で膨張する空間内に存在する、ある一定の密度の球体を例に考えると、その球体に対して働く張力の強さは、その容積によって決まります。そして、球体の容積は、中心からの半径によって決まります。つまり、その球体の内側に働く張力の強さは、その支点である中心では0に等しく、中心からの距離に応じて強くなり、力点である表面に達して最も強くなると考えられます。

 他方、その球体の外側に広がる空間は、その作用点(面)である最も外側の境界面があらゆる方向へ広がりながら遠ざかる(膨張する)ことによって、力点である球体の表面を、その球体の容積なりの強さであらゆる方向へ引っ張ります。
 その空間に働く張力は、力点であるその球体の表面を最大に、そこから遠ざかるに従って広くなる空間に拡散されて加速度的に弱まりながら、作用点である空間の境界面にまで達します。

 

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 結果として、その球体の外側の空間に働く張力の強さは、その空間の膨張の度合いが進めば進むほど、球体の表面側に偏ってゆくことになります。

 地球の外側の空間に働いている重力の強さが地表側に著しく偏っているのは、この宇宙空間が果てしなく膨張し続けた結果としてそうなっているのであり、今後、宇宙が膨張し続けた場合は更に顕著化してゆくと考えられます。
 ただし、私たち人類が地球に現れてから滅びるまでの、宇宙の時間にしてほんの一瞬の間では、その変化を計測することは難しいでしょう。

 張力の強さは、その物質の中心では0であり、そこからの距離に比例して強くなり、その表面で最大となる。そして、そこから遠ざかるに従って加速度的に弱まりながら、理論上、膨張している宇宙の境界面にまで達している。そのように考えられます。


2-6:恐竜の繁栄と絶滅

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 余談となりますが、この宇宙空間が膨張し続けた結果として、この地球の重力が現在の強さで働いているとすれば、過去の地球に働いていた重力(つまり張力)は、現在よりも弱かったことが想定されます。

 そして、現在の地球に働いている強さと同じ重力の下で、像やキリンよりもはるかに巨大な動物が地上で生息し、ダチョウよりもはるかに巨大な鳥類が空を飛ぶことが、果たして可能たったのでしょうか。

 それを踏まえると、かつての地球に働いていた張力は現在よりも弱かったから、生物の一つひとつの細胞は大く、従って生物も巨大だった。

 そして、あの巨大な恐竜が繁栄し得たのは、地球の重力が現在よりも弱かったか、あるいは大気の密度が現在よりはるかに高かったか、もしくはその両方だった。そして重力(張力)が強まることによって生物は小さくなっていった。そう考えることもできるのではないでしょうか。